世界中の推理小説に登場する名探偵たちを紹介します! 世界の名探偵たち

エルキュール・ポアロ

エルキュール・ポアロとは

エルキュール・ポアロは、アガサ・クリスティ作の推理小説に登場するベルギー人の名探偵です。シャーロック・ホームズなどと同様、時代を越えて現在にまで至る支持を得た名探偵の一人です。ホームズ以来のそれまでの推理小説の主人公から一線を画した探偵で、滑稽ともいえるほどの独特の魅力で高い人気を誇っています。クリスティが生み出した代表的な探偵と同時に、一般的にも著名な名探偵の一人といえます。初登場は1920年に発表されたクリスティの処女作「スタイルズ荘の怪事件」で、以後1975年の「カーテン」まで長編は33編、短編は50編以上に登場し、戯曲化されたものもあります。代表的な作品は「アクロイド殺し」「オリエント急行の殺人」「ABC殺人事件」などです。

探偵に憧れてる件

ポアロの人物像

19世紀中頃に生まれ、ベルギー南部のフランス語圏出身とされています。名前のエルキュール(Hercule)は、ギリシア神話に登場する怪力の英雄ヘラクレスのフランス語綴りです。ベルギーで警察官として活躍し、署長にまで出世した後、退職しました。第一次世界大戦中、ドイツ軍の侵攻によりイギリスに亡命することを余儀なくされ、亡命者7名と共に、イギリスの富豪夫人の援助を受けて、スタイルズ荘のそばにあるリーストウェイズ・コテージで生活をしていました。そこで以前にベルギーで知り合った友人のアーサー・ヘイスティングズ中尉と再会し、殺人事件を解決します。これがきっかけで探偵業を始めることになり、イギリスに渡って数多くの難事件を解決していきます。ポアロの身長は163センチくらいで、ヘラクレスの名に似つかわしくない小男でした。緑の眼に卵型の頭、黒髪で、ピンとはね上がった大きな口髭を蓄えているのが特徴です。髪は晩年になると完全に禿げ上がってしまいます。自らを世界最高の探偵であると自認するナルシストで、若い女性に「お年寄り」といわれた際には大変なショックを受けています。女性には優しく、物腰柔らかで、若者たちの恋愛成就を図るキザな紳士であり、また、常に整理・整頓を心がけ、口髭などの身なりに注意を払っていて、乱雑さには我慢ができない性格です。フランス語圏出身ですが、フランス人と間違われることをひどく嫌っています。また、船や飛行機が苦手です。探偵業を引退して悠々自適に生活しかぼちゃを育てるのが夢でしたが、難事件・怪事件が彼に引退を許さず、また彼自身も実際には隠棲生活には適応できない様でした。ポアロは最後の登場作品である「カーテン」で他界しています。

ポアロの探偵方法

ホームズ流の、現場の地面にはいつくばって証拠品を集めるやり方を「猟犬じゃあるまいし」と小ばかにし、容疑者たちとの尋問や何気ない会話に力点を置き、会話から人物の思考傾向・行動携行を探るのが常です。ただし、物的証拠を見落とさず、軽視することもなく、それらと心理分析を組み合わせ、「灰色の脳細胞」を駆使したプロファイリングに似た洞察により真犯人を言い当てます。事件の真相に近づくと、「私の灰色の小さな脳細胞が活動を始めた」と口走るのが癖です。いつも行動を共にするヘイスティングズにも「あなたの灰色の脳細胞を使いなさい」とよく諭しています。フランス語圏出身のため、興奮すると訛ったり、英語の合間にフランス語を混ぜたりする癖もあります。ポアロ自身はこのことを、英語がまともに話せないふりをして英国人を油断させるのだといっています。実際、いかにも外国的で時として滑稽とも見えるポアロの言動に、英国人の容疑者たちは油断し、事件の解決の手がかりとなる言葉を洩らしてしまうことも多く、これが事件解決の糸口となることも多々あります。

登場人物

アーサー・ヘイスティングズ

ポアロのイギリスで最初にできた友人で、初期の事件における相棒役です。「スタイルズ荘の怪事件」で初登場し、その時は中尉でしたが、その後大尉に昇進しています。シリーズにおける語り手・ワトソン役です。

ジャップ主任警部

ロンドン警視庁の主任警部です。ベルギー警察時代のポアロと一緒に捜査したことがあります。真実に迫るという点でポアロは彼に不満を感じていますが、警察官としての手腕については評価しています。ジャップの方は、数々の事件を手伝ってもらっているためにポアロには好意的です。

ミス・レモン

ポアロの秘書です。神経質で機械的な女性ですが、秘書としては有能です。初登場はシリーズ外の「パーカー・パイン登場」で、パインの秘書を務めています。

ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人

帝政ロシア時代に貴族だった女性で、堂々とした振る舞いにポアロから「非凡な女性」と評価されています。彼女自身もポアロに対して数少ない恐ろしい男という旨のことを述べています。初登場は短編の「二重の手がかり」で、その後「ビッグ4」にビッグ4の手先として登場します。「ヘラクレスの冒険」ではロンドン市内で「地獄」というナイトクラブを経営しています。

アリアドニ・オリヴァ

フィンランド人探偵のシリーズで有名な女性推理作家です。アリアドニもギリシャ神話の登場人物の名前です。初登場は「パーカー・パイン登場」に収録の「退屈している軍人の事件」です。推理小説家という観点でポアロに意見を述べます。クリスティ自身がモデルとされています。

レイス大佐

ポアロの知人の英国特務機関員です。「ひらいたトランプ」「ナイルに死す」などに登場します。ノンシリーズ作品「忘れられぬ死」では自ら探偵役も務めています。

ゴビィ

世界中に情報網を持つ探偵で、ポアロの依頼を受けて行動することもある人物です。決して人の目を見て話さないのが特徴です。

最後の作品

「カーテン」はポアロ最後の作品ですが、実際には1943年にすでに書き上げられてられていました。クリスティはこの作品を書き上げた後で金庫に封印し、自身の死後に刊行するよう出版社と契約しました。しかし、1975年10月になって出版社にせき立てられる形で「カーテン」は発表され、奇しくもその数ヵ月後にクリスティは亡くなってしまいました。「カーテン」の舞台であるスタイルズ荘は、アガサのデビュー作にしてポアロが初めて登場した作品でもある「スタイルズ荘の怪事件」の舞台と同じ場所であり、「カーテン」というタイトルには、「ポアロという探偵の人生に幕を引く」という意味が込められているそうです。ポアロが作中で死亡する「カーテン」発表後、新聞ニューヨーク・タイムズは、ポアロが死亡したことを伝える記事を掲載しました。

クリスティが持て余すほどの人物

ポアロは、ミス・マープルシリーズと並んでクリスティが生涯書き継ぐ代表シリーズとなりました。しかし、クリスティ自身は自伝の中で「初めの3、4作で彼を見捨て、もっと若い誰かで再出発するべきであった」と述べています。またポアロ作品では、自身が創作したベジタリアンのフィンランド人探偵スヴェン・イェルセンをもてあましているアリアドニ・オリヴァー夫人なる女流推理作家が登場しますが、その描写からクリスティの分身と考えられています。オリヴァ夫人は作品に対するポアロの書評という形で「当初はベルギーについてほとんど何も知らなかった」と述べています。クリスティの孫のマシュー・プリチャードの証言では、クリスティはポアロにうんざりしていたが、出版社などに半ば強制させる形でシリーズを書きついでいたのだそうです。それほどポアロが癖のある人物だったということなのでしょう。

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